卵部屋 ダシマキレコード シュランツ情報局

ハードテクノ・シュランツ楽曲を作っているTKGのページ。個人サークル「ダシマキレコード」を運営し、コミケやM3にも参加しています。

【体験記】DJ講習会に参加してきました2020年版

先日、年末のカウントダウンイベントクラウドファンディングのリターンでpolyphonixのnanaさんによるDJ講習会に参加してきました。

それらで学んだことを動画を挟みながら自分のの記録と復習のためにもまとめてみました。

 

そもそもDJとしてのデビューの経験も無い私が何言ってんの?というのはもっともですし、セトリ、繋ぎ方も含めて、色々なDJ論もあると思います。

 

あくまでも教わったことのまとめ、一つの方法論として参考になれば幸いです。

 

場所は昨年と同じ渋谷nagomix。

 

昨年の記事はこちら

tkgschranz.hatenablog.com

 

今回はこちらの疑問点にnanaさん自らが実践も踏まえてお答えして頂きつつ、小技もいくつかご教示頂く形式となりました。

 

 

「ミックスする曲の位置は?」

回答「音数が少ない箇所(イントロ、アウトロ)でミックスするのが基本。ドロップ同士でミックスするのは繊細な技術でレベルが高い・・」

詳細はnanaさんのブログにも書いてあります。

seven-colors.info

 

 

「ミックスの時の間延び感とは?」

 

 

手元のEQ操作(最後微妙にフィルターかけてフェードアウトしている)

 

音数が多いところからミックスする時にハイパスフィルター(高音だけ出る)を使うとキックとベースはほぼ消えるので、その間に繋ぐ小技的なテク。

 

BPMが違う曲を合わせる場合

BPM125と128。BPMカウンターで数値上合わせて、厳密に遅い早いは自分で聴いて調節する。どっちが速いか遅いかは感覚で分かるのがベストだが、わからない場合は2択で触ってみる。そしてよりズレるか、ズレが小さくなるかでその都度判断。

  

ずれが分からない、事故りそうで困った時は・・

 

歌もののミックスについての考え方、どこで混ぜるか

①どこでvocalが始まってどこで終わるか、原則歌が途中で切れないように

 

②vocalの余韻が残る場合の繋ぎ方。

vocal成分の中音域を残してlow,highを切る。 歌モノ程EQ操作はデリケートに。

 

手元

 

フィルターでvocalを切る方法やリバーブで敢えて残す方法も無くはないけど上級者向けとのこと・・。

 

繋ぎ方の練習、オリジナルのミックスについて

質問「この曲とこの曲はこういう風に繋ぐのがカッコイイ!という繋ぎ方を見つけて、そこを繋ぐ練習をしていく。そしてその連続だけでセットリストを組むのは良いの?」

 

回答「それはある種のスキル、必殺技なので、引き出しとして沢山持っておくのは良い。ただし、本当にそれだけだと対応力が落ちる。格闘ゲームで言うとずっと同じコンボしか出来ないようなもので、ガードされたら(場が全然盛り上がらなかったら)次の手が無いということになる。なので、この方法がだめならこっちに変えてみようという手段が取れる方が本当は良い。また、対応力と言う意味では自分のUSBに入っている全ての曲の全ての展開を知っておくのに越したことは無いが、現場で前のDJさんが何をかけるのかは予測不可能なので、そこから綺麗に繋ぐのは対応力が必要。」

 

じゃあ対応力を付けるにはどんな練習すればいいのか?

慣れ、場数といってしまえばそれまで

「ランダムで曲を繋ぐ練習、BPMカウンターやシンクを使わない練習、色んな曲から繋げられる練習、最もオススメなのは誰かとB2Bでの練習、録音して聴き返すと自分や相手がどんな風に繋いでいたのかをチェック&レビュー出来てなお良い

とのことです。

確かにB2Bは何の曲が来るかも分からないし、緊張感もありそうです。

 

完全初見の曲であっての波形を見て展開を理解し、どこで繋げれば良いのかを判断する力があるのが理想

  

今回使用したテクノ曲はnanaさん初見でしたが、全てスムーズに繋がれていました・・。そしてnanaさんは基本セットリストは組まないそうです。

 

キューの使い方について(小ネタ)

 

曲を流しながらキューポイントを随時打てる、更新出来る方法(今はホットキューがあるので、この方法取ってる人はほとんどいないかも・・とのこと)

 

 

「DJ中のフィルター、ビートジャグリング的テクニック、小技についての意味とは?」

回答「基本的には自己満足?、テクニック披露のパフォーマンスの意味も有り。お客さんが盛り上がるかどうかはやってみないと分からない。皆が聴きたい曲の箇所(ドロップ)を邪魔するくらいまでやるのは流石にくどい。皆が聴きたいところは皆が聴きたいようにかけるのがベスト。」

 

「現場で前のdjから繋ぐ時はどう繋ぐ?」

回答「原則は前のDJがかけた曲は最後の方までちゃんとかける。無理に繋いで事故るくらいなら最後までかける方が良い。途中で切らず、アウトロになったらフェードアウトくらいでも良い。作曲者、周りのDJに対してのレスペクトの心は大事

 

選曲について

「DJ側がかけたい曲をかけるのか?お客さんが聴きたい曲をかけるのか?」

回答「自分がかけたい曲をかけるのは家でやればいい。お客さんを楽しませる曲をメインにして中に押しの曲を混ぜるのはあり。これが俺の曲だ聴けえ!のスタイルはただの「ライブ」。お客さんはライブ(パフォーマンス含め)を求めているのか?場所(出会いなど)を求めているのか?楽しい空間を求めているのか?考える必要がある。お客さんが聴きたい曲をかけて、お客さんが気持ちよくなるミックスを提供するのがDJの役割。」

*ライブ要素が強いイベントの場合は、MCも多めに意識するそうです。

 

今回、nanaさんには質問攻めみたいになってしまいましたが、快くお答え頂き、本当にありがとうございました!

 

nanaさんからの言葉で印象に残ったことが、「前のDJ、作曲家の方々へのレスペクト」という言葉でした。 レスペクトすることから、どこを聴かせる方が良いか、どこを繋げてどこを切らないほうがが良いか?という考えや姿勢が自然に生まれる気もしました。

 

今後の目標

とりあえずテンポのずれを聴いて理解出来るようにすること、BPM120前後のハウス、テクノを綺麗にミックス出来るようになること。 そしてゆくゆくはハードテクノ、シュランツのミックスが出来るようになるのが今の目標です。

一説では、

「今はsyncがあるので、一昔前にピッチ合わせるのに使ってた時間を他のエフェクトなどに割けるという有効活用が出来るのでそっちのトレーニングもかかせない」という考えもあるそうです。

 

 

とりあえず一ヶ月に1つはMixを公開していきます。

現時点では2月に公開したこちらの東方アレンジが最新です。

www.mixcloud.com

 

おまけ クラブの爆音

 

完全に自己満でした(^_^;)

低音がちゃんと出てるか?などをチェックするのにもクラブのDJブースレンタルは良いかもしれませんね。

 

それではここまで読んで頂きありがとうございました。